日本の抹茶が世界でも注目を集め、人気となっています。
抹茶は海外でも
「Matcha(マッチャ)」の名で知られ、抹茶カフェが続々オープン、そのまま抹茶として飲まれているほか、抹茶ラテ、抹茶スムージー、抹茶が生地に混ぜ込まれたパンケーキやスコーン、抹茶味のお菓子などが親しまれています。
なぜここまで抹茶が浸透したのか、その理由の一つに、
抹茶がスーパーフードとして認知されていることが挙げられます。スーパーフードといったら、チアシード、アサイー、キヌアなど、日本人にはあまり馴染みのなかったものが多いですが、日本発の抹茶もヘルシーなスーパーフードとして扱われているのです。
■抹茶の美容・健康効果
茶葉にお湯を注いで飲む緑茶と違い、
茶葉を粉にした抹茶は栄養を余すことなくまるごと取り入れることができます。緑茶では水に溶けやすい成分しか摂取することができないため、有効成分の多くは茶葉に残ったままです。
抹茶にはどのような効果が期待できるのかを見てみましょう。
【ダイエット効果】
抹茶に含まれている成分でダイエット効果が期待できるのは、
カテキンとカフェインです。
カテキンはポリフェノールの一種で、
糖質や脂肪の吸収を抑える働きがあることが知られています。
カフェインには、「リパーゼ」という脂肪の分解を促進する酵素の働きを活性化させる働きがあります。その働きにより体内の脂肪が分解され、エネルギーとして消費されます。利尿作用もあり、むくみの解消にも有効です。
【美肌】
美肌に有効な成分は、何といってもビタミンCです。ビタミンCは水に溶けやすく熱に弱いという特性がありますが、
抹茶のビタミンCは熱に強く、80度でも壊れません。シミやそばかすの原因になるメラニン色素の生成を抑え、美白効果が期待できます。コラーゲンの生成にもビタミンCは必要です。
抹茶にはβ-カロテン(体内で必要量がビタミンAに変換)も含まれています。ビタミンAは肌の潤いや弾力を保つ作用や、粘膜を健康に保つために重要な栄養素です。
βカロテン、ビタミンC、カテキンには抗酸化作用があるので、美肌の相乗効果が期待できます。
【エイジングケア】
体内の活性酸素を除去し、老化を防止するのに必要なのが抗酸化作用を持つ成分です。抹茶には、
カテキン、βカロテン、ビタミンCなど複数の強力な抗酸化物質が含まれています。抗酸化作用によって、紫外線やストレスなどによる細胞へのダメージを修復し、肌をはじめ全身の細胞の錆びつきを防ぎ、体を若々しく保ちます。
【デトックス効果】
茶葉をまるごと粉末にした抹茶には、
食物繊維もたくさん含まれています。
抹茶1杯でおよそさつまいも35g分とも言われる含有量で、腸内環境を整えデトックス効果、便秘解消にもつながります。
【生活習慣病のケア】
緑茶特有の成分であるカテキンは、特定保健用食品にも利用されている成分で、生活習慣病の予防に有効だという研究があります。血中脂質である悪玉コレステロールや中性脂肪を減少させる作用があるほか、血圧・血糖値の上昇を抑える作用があり、高脂血症、糖尿病、動脈効果、肥満症、高血圧、などの生活習慣病のケアに役立ちます。
【リラックス効果】
抹茶に含まれているうまみ成分「テアニン」には、リラックス作用があり、
ストレス緩和や睡眠の質を改善する効果なども期待できると言われています。
【消臭・抗菌】
カテキンの持つ殺菌作用もよく知られています。
サルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌など、食中毒の原因となる殆どの菌の殺菌する力があり、感染力の強い病原性大腸菌O‐157に対しても殺菌効果があることが実験で分かっています。
食後に緑茶を飲むことによって、口臭予防にも効果があります。緑茶にはフッ素も含まれていて、虫歯予防にも効果的です。
■抹茶の代わりに粉末緑茶を活用
抹茶=茶道というイメージが強く、日本人でも日常的に抹茶を立てて飲む人はそう多くはありません。普段飲むのは、茶葉にお湯を注いで淹れる緑茶という場合がほとんどだと思います。抹茶を自宅で飲むのは少しハードルが高いですし価格も安くはありませんが、粉末緑茶なら抹茶と同様に余すことなく栄養素を摂ることが可能です。
抹茶も粉末緑茶もどちらも粉末状ではありますが、お湯で簡単に溶かすことができるのは後者。手軽さ・取り入れやすさは粉末緑茶のほうが優れています。
また、抹茶と粉末緑茶では生育方法が異なるため、栄養成分には違いがあります。抹茶には旨み成分のテアニンがたくさん含まれ、一方粉末緑茶にはダイエット効果で注目の成分であるカテキンが多く含まれています。カフェイン量も異なり、抹茶はコーヒーと同等量ですので、カフェインが苦手な人には粉末緑茶のほうが体に優しいと言えるでしょう。
粉末緑茶はお湯に溶かしてそのまま緑茶として飲むほか、多くの料理やお菓子に加えることができます。
・パンケーキやクッキーなどの生地に混ぜ込む
・スムージーやカルピスなどの飲み物に入れる
・牛乳に入れて抹茶オレ風に
・ヨーグルトに混ぜる
・オイルソースのパスタにかけてお茶のジェノベーゼ風
・トーストにバターと粉末緑茶を一振り
・塩と合わせて緑茶塩に
などなど、粉末緑茶の活用方法はアイデア次第でたくさんあります。茶葉の栄養素を無駄なく取り込むことができるので、ぜひ試してみてくださいね。
抹茶よりも少ないとは言え、粉末緑茶にもカフェインは含まれています。有効成分の摂取量が多ければ多いほど良いというわけではありませんので、お茶として飲むのであれば1日3~4杯程度を目安にしましょう。