白米や小麦より健康にいいといわれる玄米。ビタミン・ミネラル・食物繊維などの栄養が多く含まれているほか、美容にもよくアンチエイジング(抗加齢)作用があるといわれます。しかし、家庭で炊こうと思うと浸水時間が長いうえ、うまく炊けないこともあり、少々ハードルが高い食材でもありますね。今回は、そんな玄米を手軽に楽しめる外食店をピックアップ。玄米ペーストを利用したパンやパスタ、酵素玄米を使ったメニューなどを紹介します。
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■玄米は「完全栄養食」 栄養価が高くダイエットにも効果
「玄米には健康を保つために必要な栄養素がバランスよく含まれているので、『完全栄養食』とも言われています」
玄米はビタミンやミネラルなどが豊富で、鉄分やカリウムなど女性にうれしい栄養素がバランス良く含まれています。食物繊維も多く、糖の消化・吸収を緩やかにしてくれる水溶性食物繊維と、便秘予防効果もある不溶性食物繊維がバランスよく含まれているのもいいところだそうです。
「米や小麦の代替品として摂取するのもおすすめ。玄米は白米や小麦に比べカロリーが若干低く、さらにGI値(血糖値の上げやすさを数値化したもので、高いほど血糖値が上がりやすい)を見てみると、白米(精白米)が84、小麦粉が60に対し玄米は56。玄米のGI値が最も低く、血糖値を上げにくい食品といえます」
また、老化を抑える抗酸化作用や美容効果があるビタミンEは白米に比べて約12倍、小麦と比較しても約4倍も含まれているなど、アンチエイジング効果も期待できるといいます。まさに毎日食べたい「完全栄養食」です。
■玄米パンケーキ・玄米パスタも人気
炭水化物の中でも太りやすいといわれているのが小麦。小麦に含まれるグルテンは脂肪をためこみやすく、食欲を促進するといわれています。
玄米研究のプロフェッショナルである熊本玄米研究所で、契約農家が栽培した玄米と水のみを使用して作られたのが「玄米ペースト」です。「従来の米粉パンでは栄養分の多いぬかや胚芽を取り除いていたことから、玄米をそのままパンにできないかと考え、玄米ペーストに着目しました」とマネージャーの市原潤さん。玄米ペーストは玄米胚芽や表皮も丸ごと使われており、食物繊維やビタミンはもちろん、食欲を抑制する作用のあるγ-オリザノール(ガンマ-オリザノール)なども含まれています。
ペースト化にあたっては「玄米は製粉するとすぐに酸化が始まり、独特な臭いを発生させる問題点がありましたが、独自の技術でデンプンが酸化しないように適切な温度管理をすることで、栄養分をそのまま閉じ込めたペーストが完成しました」と市原さん。微粒子のペーストは汎用性が高く、パンやパスタ、パンケーキだけでなく、ドレッシングなどにも利用しているとのこと。
玄米パンはもちもちで食べ応えがあり、ダイエットにもおすすめ。玄米パンケーキは「普通の小麦粉のパンケーキよりもっちりとしていておいしい、という声を驚くほどたくさんの方からいただいています」新食感の玄米グルメ、ぜひお試しを。
■おしゃれなNYトレンドフード、玄米ボウル
玄米は海外でも注目の食材。NYのトレンドグルメを楽しめる「サラベス」ルミネ新宿店では、ディナータイムに玄米を使った「ブッダボウル」と「パワーボウル」が提供されています。
美しい見た目が楽しい2つのボウルは健康を強く意識したアジアテイストなメニュー。中でも「ブッタボウル」は、アメリカでもヘルシー志向な人たちの間でブームになっている冷たい丼。ベジタリアンという概念を仏教の「禅」に関連したものととらえる発想から、野菜類がたっぷり盛られたこのボウルを、仏教を開いたブッダのお腹に似ているという意味で「ブッダボウル」と呼んでいます。
玄米にキヌアを加えたベースに、トッピングはファラフェルボール(中東で食べられるヒヨコマメのコロッケ)やズッキーニのマリネ、アボカドなどたっぷりの野菜。クミンやコリアンダー、ミントを使ったエスニックな風味で食が進み、ビーツのピクルスの酸味も味のアクセントになっています。
一方の「パワーボウル」はヘルシーさを意識しながらも、女性でもお腹いっぱい満足できるメニューとして日本で開発されたもの。ハーブとチーズの風味が香るフィッシュフライに合わせたのは、温かい玄米と赤米。それにパプリカ、オニオン、ポテト、トマト、オリーブを白ワインでソテーしてトッピングした味わい深いボウルです。「イメージはアクアパッツァボウルです」と日本におけるサラベスブランドのメニューを統括する津留見 和彦さん。
「NYブランドとして現地健康食のトレンドをいち早く取り入れていきたい思いがあり、玄米はボリュームもあるのにヘルシーな食材として取り入れています」(津留見さん)。ブッダボウルは海外トレンドに敏感な人から注目されており、パワーボウルは仕事帰りのOLさんなど、1人でもしっかり健康的に食べたい人に人気とのこと。
■軟らかくもちもちした食感の「酵素玄米」
玄米の中でも、玄米に小豆と塩を加え炊飯し、炊飯器で2~3日熟成させたものは酵素が活性化した状態なので「酵素玄米」といい(寝かせ玄米、熟成玄米とも)、軟らかくもちもちした食感と高い栄養価で注目されています。
管理栄養士の谷口さんによると、「酵素玄米は玄米よりさらにビタミンやミネラルなどの栄養価が高まり、しかも消化がいいといわれています」とのこと。
酵素玄米は家庭で作ることもできますが、炊飯器に2~3日保温し続けないといけないので、外食店のメニューを利用すると手軽です。南青山のサラダ専門店「Good Life Factory」では、酵素玄米を使ったサラダを楽しむことができます。
こちらのサラダにダイナミックにトッピングされているのはグラスフェッドビーフ(牧草を食べて育った牛)。穀物を食べて育った牛に比べ低脂肪、低カロリーで、鉄分やオメガ3脂肪酸を含む良質な牛肉です。ベースに酵素玄米を使用し、野菜もたっぷり。葉物野菜だけでは満足できない! という人でも大満足のボリュームです。
「酵素玄米とともに野菜をたっぷり食べていただきたいという思いから、本当においしいサラダを考え、提供しています」と同店を運営するグローバル・ダイニングの広報、安部美希さん。
酵素玄米は玄米に小豆と雑穀を加えたものをしっかりと熟成させたもの。「女性だけではなく、男性のお客様も3割から4割とかなりの割合でいらっしゃって、とても好評です。葉物だけのサラダではすぐお腹がすいてしまうと言う方にもおすすめですよ」(安部さん)。赤身肉の鉄分や亜鉛も摂取でき、栄養をたっぷり取ることができます。
おいしくて栄養をしっかり摂取できる玄米は、夏バテで疲れた胃にもぴったり。しっかり栄養をチャージして、健康管理に役立ててみては。