どんなに綺麗なアイメイクやヘアスタイルをしていても、またブランド物の洋服を着ていても、ほうれい線がくっきりと目立つ顔では一気に老け込みますよね。
ほうれい線のできる年齢が、生活習慣の変化により若年化してきています。鏡を見るたびに年齢以上に老けて見える顔にうんざりしていませんか?メイクでもなかなか隠しきれないほうれい線の存在を消すことができたら良いですよね。
今回は薬剤師であり、国際中医美容師でもある著者が、ほうれい線を消す方法をご紹介したいと思います。
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■ほうれい線とは?
鼻の両脇から口の両端まで伸びる頬との境界線のことをほうれい線と呼びます。医学的には、鼻唇溝(びしんこう)と呼ばれています。年齢とともにほうれい線が目立ち始めることが多く、ほうれい線の深さが見た目の年齢を判断する決め手にもなります。
■ほうれい線の原因3つ
(1)ほうれい線と乾燥
乾燥によるほうれい線は、比較的浅いほうれい線になります。放っておくとお肌の老化につながります。空気の乾燥や紫外線の影響により皮膚表面の水分が奪われると肌のキメが粗くなり細かいシワができて、ほうれい線に進行しやすくなります。
また、乾燥に加えて顔のむくみが重なると重力に負け、ほうれい線が更にできやすい状態となります。
(2)ほうれい線とAGEs
皮膚の老化を起こす原因物質を“AGEs”と言います。これは体内の糖分が過剰になり、体の細胞を作っているタンパク質が糖と結合して生成される物質です。AGEsは皮膚の新陳代謝を落とし、ほうれい線を作ってしまいます。
(3)ほうれい線と肩こり
肩こりがあるということは、顔周りのリンパや血液の流れが悪くなっていることを意味します。顔周りのリンパや血液の流れが悪くなると顔がむくみやすくなったり、顔に脂肪がつきやすくなったりします。顔のむくみや脂肪は、まぶたや頬を下に垂れ下げてしまい、ほうれい線の原因となります。ほうれい線だけではなく二重あごの原因にもなるので気を付けましょう。
■ほうれい線が片方だけできるのはナゼ?
顔の印象に左右差ができるのは、顔の筋肉や骨格が歪んでいる時です。何か癖がある場合にできやすくなります。片側の歯をメインに使ってものを食べたり、頬杖をついたり、いつも同じ手だけでカバンを持ったり、片側だけを向いて眠ったりという癖があるとほうれい線が片側に出来やすくなります。
顔の片側だけの筋肉を使ったり、圧力がかかったりすると片側ほうれい線の原因となります。ほうれい線に左右差があり、消したい場合は自分の癖を見直してみましょう。
■ほうれい線のできやすさチェックテスト
今ほうれい線がある人もない人も、いずれは誰もができてしまう可能性のあるほうれい線です。できやすいタイプなのかどうか、チェックしてみましょう。
a)
・洗顔後、化粧水をつけないと肌がつっぱりやすい
・紫外線対策をしていない
・乾燥肌である
・睡眠不足
・熱めのお湯で洗顔している
b)
・姿勢が悪い
・デスクワークが多い
・肩こりがある
・ほっぺをつまむとプニプニして柔らかい
・朝起きると枕の痕が顔についてなかなかとれない
c)
・あまり噛まないでものを食べる
・あまり笑わない
・どちらかというと早食い
・いびきをかきやすい
・口呼吸をしている
チェックが多かった人は要注意です。a、b、cと細かく分類してありますが、aが多かった人は、乾燥由来の浅いほうれい線が出来やすいです。一方、bが多かった人は、むくみやたるみ由来のほうれい線が出来やすいです。
さらに、cが多かった人は、表情筋の筋力低下による少し深めのほうれい線が出来やすいという特徴があります。
■ほうれい線ができやすくなる食事・行動
ほうれい線が出来やすく老化を招くNGな食事を紹介します。
【食事編】
(1)飴やタブレット菓子
(2)パン
(3)パスタやラーメンなどの麺類
上記のものが日ごろの食生活に頻繁に含まれていないでしょうか。これらはほうれい線の原因となるAGEsの産生を加速してしまいます。食物繊維をしっかり摂って、血糖値を急激に上昇させてしまうような食材は、できるだけ控えましょう。
【行動編】
(1)拭き取りタイプのメイク落としをよく使う
皮膚に摩擦力がかかり角質層に負担がかかってしまいます。肌に必要な皮脂や水分まで落としてしまい、乾燥を招いてしまうこともあります。乾燥はほうれい線にとって大敵です。
(2)暇さえあればスマホを見てしまう
スマホを見る姿勢はどうしても首を前に出した前傾の姿勢になったり猫背になったりしてしまいます。この姿勢はリンパや血液の流れを悪くし、顔に余分な水分や老廃物をためこんでしまうため、むくみの原因となります。
顔のむくみはほうれい線にとって大敵です。
(3)無意識の時に、口角が下がっている
表情筋が衰えてしまいます。口角が下がっている顔は老けて見えるだけではなく不機嫌そうな印象を与えてしまうこともあります。表情筋の衰えはほうれい線にとって大敵です。
■ほうれい線を防ぐのに有効な食材
ほうれい線を防ぐ食べ物と簡単なレシピをここでは紹介します。
(1)手羽先
肌の乾燥を防ぐためには、コラーゲンやビタミンA、エラスチンが含まれる食材がとても大切です。すべてを含む手羽先は乾燥を改善し、ほうれい線対策に効果的です。
(2)キャベツ
実はキャベツには、ビタミンCが多く含まれています。肌を健康に保つためにはコラーゲンはとても大切ですが、コラーゲンを生成するために必要なのがビタミンCです。ビタミンCは抗酸化作用があり、肌細胞を傷める活性酸素の生成を抑制してくれます。肌を健康に保つことでほうれい線対策に役立ちます。
■ほうれい線を防ぐエクササイズ
(1)ベロ回しエクサ
口を閉じたまま、舌先で歯茎を時計回りに舐めるように20回まわし、反時計まわりに20回まわします。これを1日3~5回やってみましょう。
ほうれい線が消えるだけではなく唾液の分泌も増え、口臭予防にもなります。
(2)歯ブラシエクサ
歯ブラシを鼻の下に挟み、20秒キープします。その後、歯磨きを始めましょう。
歯磨きが終わったら、歯ブラシの背を使いほうれい線を伸ばしていきます。ほうれい線の内側を小鼻から口元にかけてゆっくり10秒程度かけて伸ばします。左右のほうれい線の内側を3回ずつなぞりましょう。
ほうれい線だけでなはく、鼻の下のたるみも解消してくれます。
■ほうれい線を消す有効なツボ
(1)迎香(げいこう)
小鼻の脇のくぼみにあるツボです。鼻を両脇から挟むようにゆっくりと押してください。ここは鼻づまりを解消するツボでもあります。
(2)水溝(すいこう)
鼻の下の真ん中にあります。両手の人差し指を重ねてゆっくり押してください。口周りのシワを予防し、顔全体を引き締めてくれます。目覚ましのツボとも言われていて、頭をすっきりさせたい時にも有効です。
(3)上廉泉(かみれんせん)と頬車(きょうしゃ)
上廉泉(かみれんせん)は、顎の真下の窪んだ部分です。頬車(きょうしゃ)は、顎のラインより少し内側の、力を入れて噛み締めると筋肉が少し盛り上がる部分です。両手の親指を重ねて上廉泉にあて、人差し指を両側の頬車にあてて、押しながら10回位揉み解してください。顔全体と首のむくみを解消してくれます。二重顎や首のシワが気になる人にもオススメです。
■ほうれい線を消すメイク
今あるほうれい線をすぐに消したい時は、メイクで隠すのが一番早いですよね。ほうれい線を消すメイク方法について紹介します。
(1)ベースメイク
保湿ができるシリコン入りの下地を選びましょう。乾燥由来の浅いほうれい線にも、たるみ由来の深いほうれい線を消すためにも有効です。また、ほうれい線の溝にファンデーションが溜まってしまうのも防いでくれます。
(2)ファンデーションの使い方
ほうれい線の出る部分は、よく動く部分でもあるため、厚塗りすると溝にファンデーションがたまったり、浮いたり崩れたりしやすいです。あくまで薄く塗るのがポイントです。リキッドやクリームタイプのファンデーションがオススメ。頬の高い部分から伸ばし、口元に塗る時は付け足さず、スポンジや手に残ったものを薄くなじませるように塗るのがオススメです。
(3)ハイライトの使い方
色でほうれい線を隠すだけではなく、光でほうれい線を目立たなくさせることもできます。ハイライトには、ファンデーションの下につけるクリームタイプのものがオススメ。肌より少し薄い色を選び、ほうれい線をなぞるように筆やチップで5箇所くらいに分けて塗布し、軽くなじませましょう。
パウダータイプのハイライトなら、パール入りの粒子が細かいものがオススメです。口角にブラシでサッとのせましょう。
ほうれい線は、老けた印象を相手に最も与えてしまいます。しかし、ほうれい線を作る習慣は実際に老化を招くものです。ほうれい線を防ぐためには、正しい姿勢を保ち健康食を食べ、表情豊かに過ごし、筋力を保つことが基本となります。
ほうれい線を見つけたらショックと考えず、老化を食い止めるチャンスと捉えて習慣を変えてみましょう。一日も早く老化を食い止め、ほうれい線を消す生活習慣を取り入れてみましょう。